満喫。

今回はめづらしく別行動ナシ。
地図を見ながら、山手通りを歩く。

♪煙草の空き箱を捨てルゥ〜〜

と、口ずさむのは林檎。

中目黒にある、
COW BOOKSという古本屋に来てみたかった。
思った以上にこだわりの品揃えだった。
“良質の”という言葉がピッタリの、
古いエッセイ集がたくさんあって、とても魅かれた。
いつの時代も、それぞれの暮らしと心の機微は、
とても魅力的で普遍的で、あぁいいなあ。

かくれがのようなお店でランチ。和食。
気詰まりではない静けさ。
大皿に盛られたお漬物がおいしくて、
ぽりぽりとしみじみ食べた。
大きな窓いっぱいに見える新緑。
ガラスには、桜の花びらがはりついたままになっていた。
このまま昼寝したくなるようなやすらぎ感。

目黒川沿いは、とても静かで、
適度な人出で、木々か多くて、
てくてく散歩するのにぴったりなところだった。
あぁ、いいなあ。
今までどうして来なかったんだろ。
渋谷から二駅とは、とても思えない。
“住みたい…”とつぶやいたら、
“いま女の子が一番住みたい街はここなんだって。
 物件をテレビで紹介しよったけど12万だった!”
と友達。
じゅうにまん!

“あんな家もいいね”
“でも12万かも”
“こういう古い構えの家でもいいよね”
“12万”
と言い合いながら歩く。

そのまま歩いて、初めての代官山へ。
このあたりで、治ったばかりのカゼが再発。
ぼー。
人は多いし暑いし、ハナミズと涙は出るし、
いまひとつ集中できなくて残念。

ここで入ったカフェがとてもよかった。
担当?してくれた女性スタッフが最高だった。
最近のカフェは、どこでもかんじがよくて、
かわいいスタッフがニコニコと優しいのだけど、
この人はそれだけじゃなかったのだった。
なんかこぅ、肝がすわっているというか、
やけに堂々としていて、
“さァ、なんでも言ってごらんなさぃ”(笑顔)みたいな。
チーズの盛り合わせについての質問にも、
私たちの目を見て、てきぱきと答える。
店内で人とすれ違うときの所作も、何もかも、
すべてが堂々としていて、大地のようだった。
街を歩いた疲れを、この人が全部持って行った。
とても魅力的だった。
きっと毎日を楽しく過ごしていて、
友達もたくさんいて、充実しているんだろうなあ、
と、そんなことまで思わせるほどだった。
接客がすきなんだろうなあ。プロだなあ。
すごい!

代官山自体には、さほど感銘を受けなかったけど、
(中目黒の印象がよすぎたのか?)
このカフェには、わざわざ電車に乗ってでも、
またぜひ来たいと思った。

渋谷駅でそれぞれ帰路へ。

大丸の本屋へ。
ここに隣接するカフェは、
購入を検討したい本を持ち込んで、
読みながらコーヒーを飲むことができる。
一度来てみようと思っていた。
コーヒーがとてもおいしくて、
量が選べるし、なんてすてきな。

ごった返す食品売り場で、
念願のまい泉カツサンドを買う。
他のものも買いたかったので、3個入りを。
が、崎陽軒のシウマイは売切れだし、
人が多いのでじっくり選べないし、
発車時間も迫ってきたので、あきらめる。

帰りの新幹線も「E」席。
ライトアップされた東京タワー。
また来るね。新幹線で。
としみじみしながら、カツサンドを開ける。
…おいしーっ!!!
…足りない。
6個入りにすればよかった…。
他のものも買おうだなんて、よくばるんじゃなかった。
と、めらめらとくやしさがこみあげた。
あぁ、6個入りを買う場面からやり直したい。


三島〜新富士間。
この暗がりの中に富士山があるんだな、
と、まっくらな窓の外を見る。

本も読まず、MDも聴かず、
ぼー。
とくつろいで、広島まで揺られた。

***今日の一曲
     罪と罰  〜椎名林檎