夕方おそいかかってきた気持ち

ティッシュが手放せないいちにちだった。
ハナかぜは辛いねえ。
へぁっくしょん。えぃちきしょうめ。(江戸っ子)

バス停までの帰り道、
いつもと違うところを通ってみたら、
銭湯があった。
ほわーん。と、中から漂ってくる
独特のにおいは、小さい頃に通った
あの銭湯と同じだった。

大きな扇風機や、脱衣場のむっとした空気、
番台で売ってる健康タオル、ケロリンのオケ、
お風呂上りに飲むマミー…。

など、思い出いっぱいの楽しかった銭湯だけど、
向かう道々で思うのは、
“シャンプーが目に入ったらどうしよう”
ということだった。
シャンプーハットは便利な代物だったけど、
最初に、首のところまで、グッと下ろすときと
髪の毛を持ち上げながら、
オデコんとこまで戻す時に
鼻のところにひっかかるのが、
こわくて嫌いだった。

おゆうぎ会も遠足も、大好きだったけど、
“ライトがまぶしくて涙が出たらどうしよう”
“歩いてる時にくつひもがほどけたらどうしよう”
“オベントウ箱は、うまく開けられるかな”
などと、心配ばかりしていたような…(笑)
神経質な子どもでした。

今、子どもたちの遠足とか見かけると、
“あぁ、ムジャキでたのしそうで
 悩みもなさそうでいいなーあ”
なんて思うけど、それぞれの心の中は、
あの頃の私と同じように、些細なことを
子どもの世界なりに、真剣に考えているのかもね。

どの年代も、生きるのは、楽しく・大変だ。
…ちょっと、ばなな氏っぽい言いまわし。

毎日毎日、同じ道を通って、通勤しているけど、
今日の帰り、ふと見た空き地が、
小学校の頃、遊んだところにそっくりなのを発見した。
はじめて気がついたなーあ。

そう思ったら、毎日見てるつもりでも、
ちゃんと見ていないものって、どれだけあるんだろう。
ありふれた日常生活では、ちょっとした感動や、
新鮮なものをすぐに求めてしまうけど、
それらは、すぐそばに、たくさんかくれているのかも。
もっと、いろいろなものを心から見たいと思った。
いてもたってもいられないような。
周りのものは、すべて偶然でできていることを考えると、
美しいものだらけのような気がする、
ちょっと澄んだ気持ちになった帰り道でした。

家に帰ったら帰ったで、電気をつけて、
ポットのコンセント差して、かばんを置くと、
家の中の空気が動き出して、
あぁ、家はいいなあ…と久しぶりに思った。
テレビをつけると、夕方のニュースが始まっていた。
今日あったことを告げる、ニュースを聞いていると、
全国で、一日の終りを共有しているんだなーと思った。

秋・冬は、こんな気持ちになることが多い。
暖かい部屋の中がうれしいからかな。

なんか、笑っちゃうくらいにやさしい気持ち。
カゼをひいてることは関係あるのだろうか。
こんな自分をはぐらかさずに、
今日は、やさしい気持ちでいよう。

***今日のビートルズ
     In My Life