泣いたり笑ったり忙しい

母と妹に見送られながら、出勤。ヘンナカンジ。

せめてお昼ゴハンは、3人で。ってことにした。
会社の人が、
“せっかく来られとるんじゃけーはよー行っておいで!!”
とお昼前に会社を出るのを許してくれた。うれしいねぇ。

しょーもない話をしながら、あっというまの昼休み。

私“ほな、そろそろ行くわー”
母・妹“気ぃつけて〜!”(笑顔)
私“休み取れへんでごめんなー”
母・妹“そんなんしゃーないやん。昼からもがんばりやー”
私“気ぃつけて帰りやー!”

笑顔で手を振り、ふたりに背を向けて自転車を走らせる。
なんか、涙が出そうになる。
結婚して、月日がたてばたつほど、
“もう3人で暮らすことはないんだ”という実感が湧いてきて、
広島からこっちに帰るときなど、泣きそうなのをぐっとがまんする。

 けど、去年の5月の里帰り。
 こっちに戻る私を母が見送ってくれた。
 バス通りまで出て、タクシーを止めた。

 母“ほな気ぃつけてな。またおいでや”
 私“うん。こっちにも遊びに来てなー”

 走り出したタクシーから手を振った。
 そしたら運転手さんが、
 “おかあさんずっと手ェ振りよってよ。ちょっと寂しいねぇ”
 と窓を開けてくれた。
 顔を出して、手を振った。
 母の姿が見えなくなったら、がまんしていた涙がどっと出た。
 しゃくりあげて泣く私に、運転手さんが
 “泣かしてしもーたねぇ。ゴメンねぇ”
 なんて、優しく言うもんで、よけい止まらない。
 “里帰りしとったんね?遠いとこにヨメに行ったん?”
 と訊く運転手さんは、私が県内に住んでいると知って笑った。

 なんとか泣き止んで、バス乗り場へ。
 バスを待っていると、また泣けてきた。
 会社帰りの人がごった返すバス乗り場。
 かっこわりー。と思いつつもどうにもならない。

 結婚式よりも引越しの日よりも、この日がいちばん寂しかった。

…ってことを思い出しつつ、会社に戻った。

夕方帰ると、家の中がキレイに片付いている。
“ゆっくりしとけばいいのに…”と思いながら、
そうじする二人を思い浮かべる。

ありがたくしんみりしていたら、母から電話。19:00。

母“まだ広島帰ってへんねん。それがなぁ、ハラたつ!!
   買い物終わって、駅行きのバス乗ろ思て待ってんのに、
   時間になっても来ぃひんねん!!!
   けっきょく、2時間も待ってしもたがな!!!
   こっちのバスは平気で間引き運転すんのか?!?!
   3本も4本も!!”

と激怒している。悪いけど笑える。

母“んで、今からバスで広島帰んにゃけどな、
  あんまり腹立つさかいに、あんたに苦情の電話
  しといてもらおと思て!!腹立つで〜ホンマ!”

そりゃひどすぎ。バス会社に電話をしておく約束をした。
何か行動すると、よきにつけ悪しきにつけ、
なにかとめずらしい目にあって、
話題に事欠かない母&妹&私。

“あいかわらずやなー”
と笑いながら、寂しい気持ちがどっかにいって助かった。
うわはははははは!!