よこしまな心

今日はいよいよ退職することを告げなければならない。
知ってるのはまだ、一番仲のいい子だけ。

午前中はついに言いそびれた。
けど、いつかは言うんだから…と
お昼頃覚悟を決めて、席を立った。

“ちょっといいですか”というと、
“いいよ”といつもの笑顔。うぅ、泣きそう。
思っていたとおり、残念だけどしょーがないなー、と言った。
そのあと、女性の先輩に言いに行く。
“そうなん…。寂しくなるーー”
と言われた途端、はりつめたものがブチきれて
涙がだーーーーーーーーーーーっっと出てきた。
仕事中なのに、と思いながらもう止まらない。

人間関係に恵まれていた職場から去ることと、
事務所がなくなる前にいち早く去ってしまうことと、
私が抜けたあと、迷惑をかけることなどなど、が爆発してしまった。

席に戻ると仲のいい子に
“今何言われても悲しいじゃろー?!”
と笑われてちょっと救われた。

なんとか気持ちを沈めて仕事仕事。
そしたら、泣いたことがとーんでもなく恥ずかしくなってきた。
残される人からすれば“泣かれても…”ってかんじだよね。
それに、さっさと新しい仕事を決めて辞めてしまう自分が
悪く思われたりするのがイヤだっただけなのでは、
という気がしてきた。
あーーーーーーー、やだやだ。
いい人たちに囲まれているのに、
快く送り出してくれることがわかりきっているのに、
信じきれてないと言うか、悪く思われることを想定して
自分の心に保険をかけてしまう私。

残された日々、一生懸命働こう。
そんな自分を振り払うように。
今辞めるのは自分で決めたこと。
責任もって、毅然とやってゆきたい。