春の18きっぷ。

ムーンライト山陽に乗って、早朝に到着したのは京都駅。

さて…。
と、すごしかたを色々考える、開店したばかりのスタバ。
早朝とは思えない、すごい人出。
バス停にも、もう人が並んでるし。
さすが春の観光地だなあ。

叡山電鉄に乗ってみることに決めた。
2両編成ののどかな電車。
車窓からは、桜と菜の花と山。
ふう…。
こういう感覚、味わいたかった。

終点の鞍馬で降りると、
街からそんなに離れていないのに
信じられないくらい「山」で、
空気がきれいで寒くて、
聞いたことない鳥が、とても上手に歌っていた。
古い町並みを歩く。
木造の家ならではの、木の湿ったカホリと春のカホリ。
昔住んでいた、大津の家の辺りを思い出した。


帰りの電車では、一番前を陣取り、
線路の先の景色を楽しむ。

一乗寺で下車。
憧れの本屋、“恵文社”に行く。

うわおぅ。
と、心の中で叫ぶ。
想像以上に魅力的な品揃えとディスプレイ。
絵本なんて、私の好きなものが
全部表紙をこちらに向けて並べられていた。
“わたしのろばベンジャミン”
“おちゃのじかんにきたとら”
“イエペはぼうしがすき”
“ぼくのおじいちゃんのかお”
うわー。
またゆっくり来よ。

つい長居して、友達との待ち合わせに遅れる。
ちょっと緊張気味に飲むハーブティー
が、すぐに時間を飛び越えてあれこれしゃべる。

「みかえり観音様」の居る“永観堂”へ。
今日もまた、
うしろを振り返る観音様の優しい様子と、
その前に書いてある解説を見ると、
優しさの足りない自分を思い知る。

今回、とんでもない忘れ物が。
1月に善光寺で買ったご朱印帳…。
んもぅっ。ばかばかばか!
と歯ぎしりして自責。

哲学の道へ。
ものすげー人。
そして、とにかく見事な桜。
とてもにぎやかで、どの人の顔も皆たのしそう。
もう少し静かに楽しみたい気もするけど。
さくら…ほんとにきれいだなあ。
ぱっ。と思い切り咲いているかんじに、
とても心をつかまれる。
「今を生きる」という言葉の、
自分にとっての意味を、あらためて考える。


宿。
大広間で晩ゴハン
隣の外人さんが、上手にお箸を使っていた。
英語に混じって、イタリア語が聞こえた気がして、
声をかけてみたい…とちょっと思ったけど、
聞こえたのはイタリア語じゃないかもしれないし、
通じないかもしれないし、
通じたとしても、
ものすごくしゃべれると思われたら困るし…、
と、やっぱしやめてしまった。
“ぴあちぇーれ”と言って、
“ぴあちぇーれ”と言ってほしかっただけなんだが。

去年の秋からイタリア語を勉強している。
今年に入ってからは、サボリがちだったけど、
番さんのイタリア旅行の話を聞いて、
またがんばろう、と思う4月なのだった。

大浴場の湯船でのんびりしゃべり、
部屋に戻ったらねむくてねむくて、
“友達と旅行なのにありえない〜”
と言い合いながら、22時就寝。
早。

***今日の一曲
     さくら  〜森山直太朗