変わらないもの。

風がものすごく冷たくて、
真冬の見本のような土曜日。

知らない道を歩く。
よさそうなカフェに思い切って入ったら、
居心地もよく、ピラフもおいしく、
冷えたからだにじんわり来た。

友達に会う。
6年ぶりの友達も居て、
でも、6年も会っていない気はしなくて、
しょっちゅう会っていたころを、
昨日のようになつかしく思い出した。

最近よくある、
集中力のなさと傍観者的感覚と、
それを自覚することで、
せっかくの場をますます俯瞰してしまう自分は、
今日は、ものの見事に吹き飛ばされて、
せつなさもまじっていたけど、
今、ここにいるってことのすばらしさと喜びをかんじ、
時間が止まればいいのに、と思った。
目に入るもの全部を、じっと見た。
「今」の自分の気持ちで、
目に映るもの全部をじっと見てた。


デザートのプリンが、なめらかでおいしかった。
上に乗ったメレンゲがなんともいえなかった。

そういえば、
ゴハンを食べに行く途中、“カノン”って店を発見。
しらんかった。
入ってみたかったなあ。
でも、「あの店に行ってみようやー」
と言ってしまうと、
自分がカノンであることが明らかになってしまいそうで、
言い出せなかったのだった。

6年ぶりの友達に
“次は6年も経たんうちに会おうね〜”
と口々に言いながら、手を振ってわかれる。

三日月くっきり。

中味の濃いいちにち。
いろんなことを反芻しながら歩く、帰り道だった。

***今日の一曲
     危険な二人  〜沢田研二