上ル下ル東入ル西入ル。

この前行ったばかりだけど、午後からまた京都へ。
はまってるというか吸い寄せられるというか。
改札を出たらすごく寒くてびっくり。
人々は皆、からだをふくらませる鳩のように、
建物の陰で冷たい風をじっとやりすごしていた。

隠れ家のようなカフェでしみじみほうじ茶を飲み、
バスに乗って目指すのは糺の森
と思ったけど、バスが予想外の道を通る路線だったので、
予定変更して恵文社を目指すことに。
夕焼け空。大文字山百万遍白川通
左京区はいいなあ。

祇園にある喫茶店のホットレモンであったまり、
あぁ〜、朝から来ればよかった!と思いながら帰路へ。

前にも書いたけど、4年前まで京都は嫌いだった。
「堀川」「御池」「東山」などの地名を見聞きするだけで、
子どもの頃の家庭不和がよみがえり、
落ちついて座っていられなくて、
一刻も早く帰りたくなっていた。
最近では、また住んでもいいかなと思えるようになり、
今は、できればまたいつか住みたいなぁと思っている。

京都を黙々とひとり歩いていると、
後悔や、解決することのない疑問とか、
心の中で埃みたいに舞っている事柄が、
すーっと落ちついていくのです。
それはよいことでもあり寂しいことでもあり。
でも、今が悪い訳じゃない。
昔のことばかり思い出してる訳でもない。

これまで、くやしくて寂しかった時でも、
何かを選ばなくてはいけない場面は毎日のようにやってきて、
その時、それどころじゃなくて苦し紛れでも選んだ事の数々が、
今の場所にたどりつかせてくれたのだとしたら、
くやしかった事柄にも意味があったのだろう。
東山を眺めながらそんなことを静かに考えた。

***今日の一曲
    Sailing  〜Jo Mama