一度行こうと思っていた。

父が住んでいたところに行ってみた。
アパートを目の前にしたとき歩数計を見たら、
家からわずか800歩あまりだった。
今住んでいる所は自分で決めたわけではなく、
偶然にもこのアパートの近くだった。
これも何かの縁だろうか。

“もう一度みんなで暮らしたいから、
 3人で東京に来てください”
という手紙が父から来たことがあった。
誰が行くもんか、よく言うわ、と思ってた。
どんな気持ちで書いて、
どれほど思い切って投函したんだろう、
と今は思う。

20年たって、
数年前からの熱望が叶って東京にいる娘。
因果だとかなんとか、
そういう言葉に落とし込むのは嫌いだけど、
うぅむ、と考える。

***今日の一曲
     やさしく歌って  〜ロバータ・フラック